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キャラクターストーリー 『水菓子』
「あぁ、ここに居たか」
「宗泰様! 何かございましたか?」
「知り合いに水菓子を貰ったのだが、一人では食べきれそうになくてな。お前にも手伝ってもらおうと思ってね」
「水菓子……あ、先程の西瓜の事ですか?」
「そうだよ。ところで慎弥は何処に?」
「朝から町に行っておりまして、まだ戻ってきておりませんが…」
「そうか、それなら良いんだ」
「えっ?」
「あいつが居ると、ゆっくり食べられないからね」
「あぁ…なるほど」
「だから、お前と私だけの秘密にするんだよ。いいね?」
『ふっふっふっ……確と! この耳で! 聞きましたわよ!』
「この声は…」
「菊千代さん!」
「二人で食べようなんて狡いですよ! 暑いのは皆同じなんですからっ!」
「お前は本当に抜け目がないな…」
「うふっ、お褒めいただき光栄です」
「まぁ、量は充分にあるからな。菊千代、お前もおいで」
「きゃー! ありがとうございます、宗泰様! だーい好き!」
「寄るな! 暑苦しい!」
「暑苦しいってなんです! 鬱陶しいならまだしも…」
「いや…気にするのは、そこじゃ無いような…」
「同じ抱きつかれるのであれば、私は断然桂華の方がいい!」
「えっ?」
「お言葉ですが、あたしだって桂華ちゃんに抱きつきたいです!」
「えぇ!?」
「ならば…決着をつけようではないか」
「うふっ、いいですよ。先日の将棋も確か勝負がついておりませんでしたよね?」
「あ、あの…勝負って――」
「だが、今は水菓子が先だ! ほら、部屋へ行くぞ」
「へっ?」
「今年初めての西瓜ね、楽しみだわ!」
「え、えっと…(あれ、決着は?)」
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